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佐久森林認証協議会 森林管理計画 SGEC森林認証(持続可能な森林経営)について | 佐久市ホームページ

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~信州カラマツの故郷~

佐久森林認証協議会

森林管理計画

3-1-1

森林管理計画の基本事項

~信州カラマツの故郷~ 佐久森林認証協議会(以下:「協議会」という。)の森林管理計画

は、千曲川上流森林計画に基づき、加盟者 9 市町村の市町村森林整備基本計画及び長野県県

有林管理計画に基づき作成した「経営計画」により管理を行うものとする。

「第13期千曲川上流地域森林計画書(千曲川上流森林計画区)」

長野県佐久地方事務所管内:小諸市、佐久市、小海町、佐久穂町、川上村、南牧村、南相

木村、北相木村、軽井沢町、御代田町、立科町

計画期間: 自 平成26年 4月 1日~至 平成36年 3月31日

作 成: 長 野 県

小諸市森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

佐久市森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

小海町森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

佐久穂町森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

川上村森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

南牧村森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

南相木村森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

北相木村森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

立科町森林整備計画書 計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

(軽井沢町森林整備計画書)

計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

(御代田町森林整備計画書)

計画期間: 平成26年4月1日から平成36年3月31日

第10次県営林管理経計画書

計画期間: 平成29年 4月1日から平成34年 3月31日

※森泉山財産組合有林が位置する町の森林整備計画書

※第10次県営林管理経計画書は長野県作成

3-1-2

森林管理計画の基本的な考え方及び施業推進方法

(1) 森林整備の基本的な考え方

SGEC森林管理の下記の基準に則り、佐久地域の持続可能な森林管理を行う(前章p2)。

恒久的な森林として守り・育て、地域の環境保全、地域の安全・安心に資する。

地域の森林・林業の模範となる森林管理により、林業再生、地域振興に資する。

地域資源の循環利用に資する。

地域の教育・環境学習・憩いの場として、地域住民の文化・保健休養に資する。

地域の持続可能な発展に資する。

これらの基本方針とともに、認証森林(以下:「FM 森林」という。)の整備に当たっては、

森林の有する多面的機能を総合かつ高度発揮させるため、機能に応じた適正な森林施業の実施

(3)

(2)森林施業の推進方策

千曲川上流地域森林計画で定める森林整備の推進方向を基本とし、望ましい森林資源の姿に誘

導するため、以下のとおり森林施業を推進する。

①水源涵養機能森林

良質な水の安定供給を確保する観点から、適切な保育・間伐を促進しつつ、下層植生や樹木の

根を発達させる施業を基本とするとともに、伐採に伴って発生する裸地については、縮小及び分

散を図ることとする。

また、立地条件等に応じ天然力も活用した施業も推進することとする。ダム等の利水施設上流

域等において、水源涵養の機能が十全に発揮されるよう、適切な管理を推進する。

②山地災害防止機能/土壌保全機能森林

災害に強い森林を形成する観点から、地形等の条件を考慮した上で、林床の裸地化の縮小及び

回避を図る施業を推進することとする。

また、立地条件等に応じ天然力も活用した施業も推進することとする。集落等に近接する山地

災害の発生の危険性が高い地域等において、土砂の流出防備等の機能が十全に発揮されるよう、

適切な管理を推進する。

③快適環境形成機能森林

地域の快適な生活環境を保全する観点から、樹種の多様性を増進する施業や適切な保育、間伐

等を推進することとする。

④保健・文化・生物多様性保全機能森林

立地条件や地域のニーズ等に応じて、広葉樹の導入を図るなどの多様な森林整備を推進する。

また、美的景観の維持形成に配慮した森林整備や生物多様性保全機能(保護帯の設置等を含む)

の維持増進を図る森林として保全することとする。

⑤木材等生産機能森林

木材等の林産物を持続的、安定的かつ効率的に供給する観点から、森林の健全性を確保し、

木材需要に応じた樹種、径級の林木を生育させるための適切な造林、保育及び間伐等を推進す

ることを基本とする。この場合、施業の機械化を通じた効率的な整備を推進する。

(3)森林施業の合理化に関する基本方向

適切な森林管理のためには、森林施業の合理化が必要である。合理化に関しては、11会員

との連携を密にするとともに、CoC認証取得団体(JForest信州佐久CoC協議会等)との連携

及び調整を図る。また、持続的森林経営に即した施業の実施を推進する。

(4)地域住民に開かれた森林の整備及び利用の推進方策

SGEC認証森林の義務である以下の事項を積極的に実施する。

「住民等に自然に触れ合う機会・場所の提供に努め環境教育の対策を整備するなど森林環

境教育の場を提供」

地域住民等の意向を踏まえ、認証森林の整備を進めるとともに、教育・福祉・保健等の分野

と連携しつつ、森林環境教育や健康づくり等の森林の利用を推進する。

(5)森林の多面的機能の発揮を図る観点からの地域の活性化等に関する基本方向

SGEC認証森林の義務である以下の事項を積極的に実施する。

「認証林産物を有効活用し地域と連携し雇用の拡大・地域経済の振興に努力」

持続的な森林経営を実施するには、林業就業者が山村地域で生活することが重要であり、木

材、きのこ等の森林資源や山村特有の魅力を活用した就業機会の増大、地元住民や都市からの

(4)

住することをいう。)のそれぞれのニーズに対応した生活環境の整備、拠点集落への重点化な

ど、位置や機能に応じた集落の整備等を通じた山村地域の定住を促進し、地域の活性化を図る

ことが必要である。

協議会のFM森林は、全て公有林であり、森林整備の計画的実施、特用林産物の生産等、

公的な視点からの計画的実施が可能である。このことは、森林整備量の確保につながり、雇用

創出、地域振興に資する要因となる。

さらに、SGEC認証木材の地域内利用を図るPRを積極的に実施するとともに、地域特産

カラマツを中心に、地域経済の振興に寄与する森林管理を行う。

3-1-3

FM

森林のアカマツ林に関する基本方針

佐久地域は、民有林の5,796.40haがアカマツ林で、民有林全体の8%を占める。現在、地

域内の低標高域(小諸市、佐久市、立科町、佐久穂町)が松くい虫被害地となっている。

伐倒駆除のような被害処理だけでは、被害量、対策コスト等、対応できない状況にあり、被

害対策が実施されないアカマツ林では健全な育成ができず、脆弱なアカマツは松くい虫の感染

を受け、激害化に至るという環境となっている。

さらに、近年の気温上昇により、その被害は標高860mを超す地域まで達してきており(図

3-1)、健全なアカマツ林の生態系やアカマツ木材生産の衰退を招く事態となってきている。

また、昨今の地球環境や自然環境の保護の観点から、薬剤処理や薬剤散布による防除対策で

はなく、環境に負荷を与えない自然と共生していく施策が求められている。

FM森林においては、守るべき松林を定め、この松林を中心に対策を推進し、次の措置を組み

合わせながら対策を講じる。

伐倒駆除

薬剤散布等の各種予防事業(参照:p66林業薬剤管理マニュアル)

守るべき松林周辺部の樹種転換

主伐、間伐、更新等については、「松くい虫被害対策としてのアカマツ林施業指針(長野県)」

により実施する。

図3-1 松くい虫被害の予測(自然抑制域MB指数19は911m)

「AMeDAS佐久:EL=683m」気象統計(30年:1981~2010年)の平均気温によるMB指数計算値

MB指数は(15℃温量指数)、気温減少率0.6℃/100による標高補正

MB指数<19:自然抑制区域、19<MB指数>22:移行帯MB指数>22:危険域、 23.3 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

500 600 700 800 900 1000 1100 1200

MB指数

MB指数

標高(m

MB指数

基準点(佐久AMeDAS)

(5)

.

森林整備の方法に関する事項

3-2-1

森林の立木竹の伐採に関する事項(間伐に関する事項を除く)

千曲川上流地域森林計画で定める指針に基づき、立木の伐採(主伐)については、樹種別の

立木の標準伐期齢を以下のとおり定める(表3-1)。

表3-1 樹種別の立木の標準伐期齢

区 分

樹 種 標準伐期齢

伐 期 の延 長 を推 進す べ き 森林の伐期齢

長 伐 期 施業 を 推進 す べき 森林の伐期齢

カラマツ 40年 50年以上 おおむね80年以上

アカマツ 40年 50年以上 おおむね80年以上

ヒノキ 45年 55年以上 おおむね90年以上

スギ 40年 50年以上 おおむね80年以上

その他針葉樹 60年 70年以上 おおむね120年以上

クヌギ 15年 25年以上 おおむね30年以上

ナラ類 20年 30年以上 おおむね40年以上

ブナ 70年 80年以上 おおむね140年以上

その他広葉樹 20年 30年以上 おおむね40年以上

注:標準伐期齢は、立木の伐採(主伐)の時期に関する指標であり、標準伐期齢に達した時点での森林の伐採を促すためのもの ではない。

3-2-2

立木の伐採(主伐)の標準的な方法

(1)共通事項

立木竹の伐採のうち主伐については、「更新」を伴う伐採により行うものとし、その方法は、

皆伐と択伐によるものとする(表3-2)。

「更新」とは、伐採跡地(伐採により生じた無立木地)において、人工造林又は天然更新に

より更新樹種を育成し、再び立木地にすることをいう。

表3-2 主伐の区分と主伐方法

【主伐の区分】区 分 主 伐 の 方 法 の 内 容

皆 伐 択伐以外のもの。

択 伐 伐採区域の森林を構成する立木の一部を伐採する方法であって、単木・

帯状又は樹群を単位として、伐採区域全体ではおおむね均等な割合で行 うものとする。

なお、ここで択伐とは、材積による択伐率が30%以下の択伐をいう。(伐

採後の造林を人工植栽による場合は、40%以下の択伐率。)

立木の伐採(主伐)にあっては、森林の生物多様性の保全に努め、伐採跡地の連続性の回避、

適確な更新確保及び伐採を行わない箇所(保護樹帯の設置)等に配慮する。ただし、立地条件

により人工造林及び天然更新に相当の時間が必要な地域(例えば、標高が高い地域、積雪が多

い地域等)は、更新が完了するまで大面積の伐採は行わない。

立木の伐採(主伐)の方法は、皆伐(主伐のうち択伐以外のもの)又は択伐(主伐のうち、

伐採区域の森林を構成する立木の一部を伐採する方法であって、単木・帯状又は樹群を単位と

(6)

以下(伐採後の造林が人工植栽による場合にあっては40%以下)の伐採)とする。また、皆

伐によるものについては、伐採面積の規模に応じて少なくともおおむね20ヘクタールごとに

保残帯を設ける(図3-2)。

表3-3 立木の伐採(主伐)の基準

【主伐の留意事項】 区 分

留 意 事 項

共通事項 ① 伐採跡地が連続しないように、伐採跡地間には周辺森林の成木の樹高

程度の幅を確保する。

② 立地条件により人工造林及び天然更新に相当の時間が必要な地域(例

えば、標高が高い地域、積雪が多い地域等)は、大規模な伐採を避け

るとともに、更新が完了するまで隣接地での伐採は行わない。

③ 森林の公益的機能を保全するため必要がある場合には、所要の保護樹

林帯を設置することとする。

④ 伐採後の更新が天然更新により行われる場合は、母樹の配置等に配慮

すること。

⑤ 伐採後の更新がぼう芽更新により行われる場合は、良好な光条件を確

保するため、根株に枝条等を集積して被覆しないこと。

⑥ 更新のための造林に対して補助金を受けるためには、あらかじめ森林

経営計画の認定を受けておく必要がある。

皆 伐 ① 一箇所当たりの皆伐の上限面積は、20haを超えないものとする。出来る

だけ小面積とするよう計画する。

② 隣接する伐採跡地との間には、幅20m以上(周辺森林の成木が20mを

超える場合は、樹高程度以上)の保残帯を設けること。

③ ①、②に関わらず、気候、地形、土壌等の自然的条件及び公益的機能

の確保の必要性を踏まえ、適切な伐採区域の形状、伐採面積及び伐採

区域のモザイク的配置に配慮すること。

④ 次の土地に隣接する森林は、防災上の観点から20m程度の緩衝帯を残

すよう心掛けること。

河川、渓流沿いの水辺環境、耕作地

人家、工場等建造物、幹線道路、鉄道

択 伐 ① 群状伐採にあっては、一箇所当たりの伐区面積は0.05ha未満とし、隣接

する伐区との間は、20m以上離れていること。

② 帯状伐採にあっては、伐採する帯の幅は、10m未満とし、隣接する伐

採帯との間は、20m以上離れていること。

③ 森林の有する多面的機能の維持増進が図られる林分構成となるよう、

一定の立木材積を維持するものとし、適切な伐採率によることとする。

図3-2 択伐施業の具体的な例

【択伐施業の具体的な例】

○択伐(群状伐採)の例 ○択伐(帯状伐採)の例

※保存帯は20m以上とする。

(7)

(2)施業区分ごとの施業方法

表3-4 施業区分ごとの施業方法

施業の区分 標 準 的 な 方 法

育成単層林 ① 皆伐施業を原則とし、伐採区域は概ね10ha以内とする。

② 主伐後は適確な更新を図る。

③ 尾根筋、川沿いでは片側 20m 程度を保存するよう努めることとし、公道

及び林道周辺はできるだけ保存する。

育成複層林 ① 択伐施業を原則とし、択伐率は概ね30%以下(伐採後の造林が人工植栽に

よる場合にあっては40%以下)とする。

② 主伐後は適確な更新を図る。

なお、天然更新を前提とする場合は、種子の結実状況、天然稚樹の生育状 況、母樹の保存等に配慮し、適確な更新を図る。

(3)その他必要な事項

①病虫害被害木の施業方法

松くい虫の被害木及び周辺森林においては、被害拡大防止を最優先とし、早期に伐採を行っ

ていくものとする。また、緊急時においては、ここに定める森林以外について、個別判断によ

り伐採処理するものとする。

② 更新の確認時期

主伐が実施された場合、更新状況を下記のとおり確認する(表3-5)。

表3-5 更新の確認時期

主伐の届出 更新方法 確認時期

伐 採 及 び 伐 採 後 の 造 林

の届出書

人工造林

伐採終了年度の翌年度から2年を経過する日までの

期間に確認する。

天然更新

伐採終了年度の翌年度から5年を経過する日までの

期間に確認する。

市 町 村 認 定 の 森 林 経 営

計 画 に 係 る 伐 採 等 の 届

出書

人工造林

伐採終了年度の翌年度から2年を経過する日までの

期間に確認する。

天然更新

伐採終了年度の翌年度から5年を経過する日までの

期間に確認する。

確認方法は、後述「造林に関する事項」の更新完了の基準及び調査の方法とする。

3-2-3

造林に関する事項

千曲川上流地域森林計画に基づき、造林に関する事項を下記のとおりとする。

(1)人工造林

①対象樹種

(8)

表3-6 人工造林対象樹種

区 分 樹 種 名 備 考

人工造林の対象樹種

ス ギ

ヒノキ アカマツ カラマツ その他針葉樹 広葉樹

②方法

ア)人工造林の樹種別及び仕立ての方法別の植栽本数

主要樹種の植栽本数は、下表(表3-7)を標準とする。

なお、立地条件、既往の造林方法等を勘案し、将来的な施業の方針を明確にすることで、

植栽本数を決定することができるものとする。

表3-7 人工造林の樹種別及び仕立ての方法別の植栽本数

樹 種 仕立ての方法 標準的な植栽本数(本/ha) 備 考

ス ギ 中庸仕立て 3,000本

ヒノキ 中庸仕立て 3,000本

アカマツ 中庸仕立て 3,000本

カラマツ 中庸仕立て 2,300本

その他針葉樹 中庸仕立て 3,000本

広葉樹 中庸仕立て 3,000本

イ)その他人工造林の方法

表3-8 その他人工造林の方法

区 分 標準的な方法

地拵えの方法

伐採木及び枝条等が植栽や保育作業の支障とならないように整理 するとともに、林地の保全に配慮すること。

植付けの方法 正方形植えを原則とし、植付けは丁寧植えとする。

植栽の時期 4月~6月中旬までに行うものとする。

③伐採跡地の人工造林をすべき期間

表3-9 その他人工造林の方法

皆 伐 択 伐

伐採終了年度の翌年度から2年を経過する日

までの期間。

伐採終了年度の翌年度から5年を経過する

日までの期間。

(9)

(2)天然更新

①対象樹種

天然更新における対象樹種は、下表(表3-10)を標準とする。

表3-10 天然更新対象樹種

天然更新の対象樹種 天然下種 ぼう芽による更新が可能

アカマツ(マツ科) 〇

カラマツ(マツ科) 〇

モミ(マツ科) 〇

ツガ(マツ科) 〇

アサダ(カバノキ科) 〇

ミズメ(カバノキ科) 〇

ブナ(ブナ科) 〇

イヌブナ(ブナ科) 〇

コナラ(ブナ科) 〇 〇

ハンノキ(カバノキ科) 〇

ケヤマハンノキ(カバノキ科) 〇

コバヤマハンノキ(カバノキ科) 〇

ヤハズハンノキ(カバノキ科) 〇

ミヤマハンノキ(カバノキ科) 〇

ヤシャブシ(カバノキ科) 〇

ミヤマヤシャブシ(カバノキ科) 〇

イヌシデ(カバノキ科) 〇

ミズナラ(ブナ科) 〇 〇

クヌギ(ブナ科) 〇 〇

カシワ(ブナ科) 〇

クリ(ブナ科) 〇 〇

ケヤキ(ニレ科) 〇 〇

ニレ類(ニレ科) 〇

カツラ(カツラ科) 〇

ホオノキ(モクレン科) 〇 〇

カスミザクラ(バラ科) 〇 〇

オオヤマザクラ(バラ科) 〇

ミヤマザクラ(バラ科) 〇 〇

ウワミズザクラ(バラ科) 〇

アズキナシ(バラ科) 〇

ウラジロノキ(バラ科) 〇

ナナカマド(バラ科) 〇

キハダ(ミカン科) 〇

イタヤカエデ(カエデ科) 〇 〇

ウリハダカエデ(カエデ科) 〇 〇

オオモミジ(カエデ科) 〇

ヤマモミジ(カエデ科) 〇

コミネカエデ(カエデ科) 〇

ミネカエデ(カエデ科) 〇

トチノキ(トチノキ科) 〇

シナノキ(シナノキ科) 〇

ハリギリ(ウコギ科) 〇

コシアブラ(ウコギ科) 〇

ヤマボウシ(ミズキ科) 〇

ミズキ(ミズキ科) 〇

リョウブ(リョウブ科) 〇

アオダモ(モクセイ科) 〇

ヤチダモ(モクセイ科) 〇

(10)

②方法

ア)天然更新の対象樹種別の期待成立本数

表3-11 天然更新の期待成立本数

樹 種 期待成立本数

対象樹種すべて 10,000本/ha以上

イ)天然更新補助作業の標準的な方法

表3-12 天然更新補助作業の標準的な方法

方 法 標 準 的 な 方 法

地表処理

ササや粗腐植の堆積等により天然下種更新が阻害されている箇所

について、種子の確実な定着と発芽を促し、更新樹種が良好に生育で

きる環境を整備するために地表かき起こし、枝条整理等を行うものと

する。

刈出し

ササ、低木、シダ類、キイチゴ類、高茎草本等の競合植物により更

新樹種の生存、生育が阻害されている箇所について刈払い等を行うも

のとする。

植込み

更新樹種の生育状況等を勘案し、天然更新が不十分な箇所に必要な

本数を植栽するものとする。

芽かき

ぼう芽更新による場合に、耐陰性の強い樹種では余分な芽をつみ取

る芽かきを適宜実施する。

ウ)その他天然更新の方法

伐採跡地の天然更新の完了を確認する方法は、次の調査方法により行う。

必要な場合は、長野県佐久地域振興局の林業普及指導員、研究機関等の技術的な助言、協力

を依頼する。

A 更新調査の方法

更新調査は、標本抽出調査及び標準地調査によることとし、調査の信頼度を確保できる範囲

で調査区(調査プロット)の数及び面積を設定する。

なお、明らかに更新の判定基準を満たしている場合は、更新の状況が明確に判る写真を撮影し

て記録し、目視による調査とする。

a 調査区及びプロットの設定

調査地は、対象地の尾根部、中腹部、沢部のそれぞれ1ヶ所以上の標準的箇所を選んで設定

する。1 調査区の大きさは2m(幅)×10m(長さ)の帯状とし、調査区内は長さ方向に 5 区分

(2m×2m×5プロット)とし、調査区の長さ方向は斜面傾斜方向に配置する。

b 調査方法

(11)

ナラ類などぼう芽更新の場合は株数をもって本数とする。

c 調査の記録

調査を実施した際は、必ず野帳に記録し、写真を撮影して保管する(また、調査位置は、

GPSを利用し位置情報を記録し、森林GISで管理する)。

なお、調査記録は、永年保存とする。

B更新の判定基準

表3-13 更新の判定基準

区分 内 容

更新すべき立木本数 3,000本/ha以上

稚樹高

競合植物の草丈との関係により、千曲川上流地域森林計画書

の表3-10を参考に判断する。

更新を判定する時期

伐採終了年度の翌年度初日から5年を経過した日までに判定

する。

判定日に更新すべき立木本数が不足する場合は、追加の天然

更新補助作業行うか、又は不足本数を人工造林し、伐採終了年

度の翌年度初日から7年を経過した日までに判定する。

エ)更新成績が不良の場合の対応

更新成績が不良となっている場合(種子の凶作、ササ類の繁茂等)には、速やかに追加的な天

然更新補助作業(刈り出し等)又は植栽を実施することとする。

③伐採跡地の天然更新をすべき期間

伐採終了年度の翌年度から5年を経過する日までの期間とする。

(3)伐採の中止又は造林をすべき旨の命令

公有林であることから、伐採の中止又は造林をすべき命令を受けることは決してあってはなら

ない。

なお、会員のFM森林において、留意すべき事項が確認された場合(参照:5モニタリング 5-1-3

PCDAサイクルの実施等)は、協議会は関係機関と協議して、その伐採の中止又は造林をすべき

命令を行う。

3-2-4

間伐及び保育

千曲川上流地域森林計画に基づき、造林に関する事項を下記のとおりとする。

(1)間伐を実施すべき標準的な林齢及び間伐の標準的な方法

① 主要樹種別の間伐を実施すべき林齢

主要樹種別の間伐を実施すべき林齢は、表3-14を基準とする。

②選木の方法

ア)点状間伐

初回の間伐は、不良な立木(被圧木、曲がり木、傾斜木、被害木、衰弱木、あばれ木、二又木

(12)

イ)列状間伐

2列残存、1列伐採または3列残存、1列伐採を標準とする。

表3-14 主要樹種別の間伐を実施すべき林齢

樹種 施業体系

植栽本数

(本/ha)

間伐を実施すべき標準的な林齢(年)

初回 2回目 3回目 4回目 5回目

カラマツ (地位級Ⅰ)

長伐期 2,300

12

(43%)

16

(41%)

23

(40%)

35

(33%)

50

(24%) カラマツ

(地位級Ⅱ)

長伐期 2,300

13

(40%)

18

(42%)

27

(39%)

40

(45%)

75

(39%) カラマツ

(地位級Ⅲ)

長伐期 2,300

15 (52%)

23 (42%)

37 (32%)

60 (32%)

-

カラマツ (地位級Ⅳ)

長伐期 2,300

19 (52%)

29 (42%)

45 (32%)

60 (32%)

-

カラマツ (地位級Ⅴ)

長伐期 2,300

20

(40%)

35

(40%)

- - -

アカマツ (地位級Ⅰ)

標準 2,400

12

(33%)

18

(31%)

24

(27%)

31

(25%)

40

(25%) アカマツ

(地位級Ⅱ)

標準 2,400

14 (33%)

21 (31%)

28 (27%)

37 (25%)

51 (25%) アカマツ

(地位級Ⅲ)

標準 2,400

15

(33%)

24

(31%)

33

(27%)

47

(25%)

75

(25%) アカマツ

(地位級Ⅳ)

標準 2,400

18

(33%)

29

(31%)

43

(27%)

69

(25%)

-

アカマツ (地位級Ⅴ)

標準 2,400

21 (33%)

38 (31%)

64 (27%)

- -

ヒノキ (地位級Ⅰ)

標準 2,700

15 (26%)

19 (25%)

24 (33%)

31 (20%)

39 (25%) ヒノキ

(地位級Ⅱ)

標準 2,700

16 (26%)

22 (25%)

28 (33%)

37 (20%)

50 (25%) ヒノキ

(地位級Ⅲ)

標準 2,700

19

(26%)

25

(25%)

35

(33%)

49

(20%)

80

(25%) ヒノキ

(地位級Ⅳ)

標準 2,700

22

(26%)

31

(25%)

47

(33%)

67

(20%)

-

ヒノキ (地位級Ⅴ)

標準 2,700

27 (26%)

44 (25%)

85 (33%)

- -

スギ (地位級Ⅰ)

標準 2,700

14 (30%)

18 (32%)

23 (31%)

30 (33%)

40 (33%) スギ

(地位級Ⅱ)

標準 2,700

16

(30%)

20

(32%)

27

(31%)

36

(33%)

51

(33%) スギ

(地位級Ⅲ)

標準 2,700

18

(30%)

23

(32%)

32

(31%)

46

(33%)

80

(33%) スギ

(地位級Ⅳ)

標準 2,700

21 (30%)

27 (32%)

41 (31%)

72 (33%)

-

スギ (地位級Ⅴ)

標準 2,700

25

(30%)

35

(32%)

64

(31%)

- -

注:( )内は、本数間伐率。

(2)保育の種類別の標準的な方法

(13)

表3-15 保育の種類別の標準的な方法

保育の種類 樹 種

実施すべき標準的な林齢及び回数

標準的な方法 実施時期 実施林齢 回数

下刈り 全樹種

(1回目) 6月上旬~ 7月上旬

(2回目) 7月下旬~ 8月下旬

2年生~

10年生

年1~ 2回

① 目的樹種の樹高が、草本植物等の高

さの1.5倍になるまで実施する。必

要に応じて、年2回実施する。

② つる植物の旺盛な箇所は、①の高さ

を超えても継続して実施すること。

③ ニホンジカ 等の食害が懸念され る

箇所は、全刈りとせず坪刈り・筋刈

りとすること。

④ 広葉樹植栽地、天然更新地において

は、あらかじめ目立つ色のテープを

巻き付けるか竹棒を設置して、誤伐

を避ける対策を講じること。

枝打ち

スギ

ヒノキ

11月~5月

11年生~

30年生

最大 8mまで

に必要な回数

① 人工造林の針葉樹で実施する。

② 公益的機能別施業森林においては、

林内の光環境に応じ、必要に応じて

実施する。

③ 木材生産機 能維持増進森林にお い

ては、無節で完満な良質材を生産す

る場合に実施する。

④ 将来明らか に間伐する立木の枝 打

ちは行わず 、労力の軽減を図る こ

と。

⑤ 全木枝打ちは、林内環境が激変する

ことから気 象害に遭うおそれが あ

るため、極力避けること。

除伐 全樹種

5月~7月

(9月~3月)

11年生~ 25年生

1回~ 2回

① 目的樹種の 生長を阻害する樹木 等

を除去するために行う。

② 更新樹種の 生育に支障とならな い

樹木は、残すことが望ましい。

つる切り 全樹種

6月上旬~ 7月上旬

11年生~ 30年生

必要に応じて 2~3回

① 枝打ち、除伐と並行して実施するこ

(14)

3-2-5

公益的機能別施業森林及び木材生産機能維持増進森林

(1)公益的機能別施業森林の区域及び当該区域内における施業の方法

①水源涵養(かんよう、以下:「涵養」表記))機能維持増進森林

ア)森林施業の方法

FM森林で水源涵養機能維持増進森林の区分された森林においては、表3-16の伐期齢の下

限に従った森林施業を推進する。

イ)渓畔林の保全

渓畔林は、水源涵養機能、土砂災害防止機能等に効果が示されている。渓流畔の保全等に配

慮した施業は推進する。施業は「災害に強い森林づくり指針、2008、長野県」を参考に実施

する。

表3-16 水源涵養機能維持増進森林の伐期齢の下限

樹 種

カラマツ アカマツ ヒノキ スギ

その他

針葉樹

クヌギ ナラ類 ブナ

その他

広葉樹

50年 50年 55年 50年 70年 25年 30年 80年 30年

②森林の有する「土地に関する災害の防止及び土壌の保全の機能の維持増進を図るための森林

施業を推進すべき森林」、「快適な環境の形成の機能の維持増進を図るための森林施業を推進

すべき森林」、「保健機能等の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林」

ア)機能別森林の定義

A「土地に関する災害の防止及び土壌の保全の機能の維持増進を図るための森林施業を推進

すべき森林」(山地災害防止機能/土壌保全機能維持増進森林)

土砂崩壊防備保安林、土砂流出防備保安林などの保安林や砂防指定地周辺、山地災害危険地

区等や山地災害の発生により人命・人家等施設への被害の恐れがある森林、山地災害防止機能

の評価区分が高い森林等。渓畔林は、水源涵養機能、土砂災害防止機能等に効果が示されてい

る。渓流畔の保全等に配慮した施業は推進する。施業は「災害に強い森林づくり指針、2008、

長野県」を参考に実施する。

B「快適な環境の形成の機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林」

(快適環境形成機能維持増進森林)

住民の日常生活に密接な関わりを持つ里山等であり、騒音や粉じん等の影響を緩和する森林、

風害等の気象災害を防止する効果が高い森林、生活環境保全機能の評価区分が高い森林等。

C「保健機能等の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林」

(保健機能等維持増進森林)

保健保安林、風致保安林、都市計画法に規定する風致地区、文化財保護法に規定する史跡名

勝天然記念物に係る森林、キャンプ場、森林公園等の施設を伴う森林などの地域住民の保健・

教育的利用等に適した森林、史跡等と一体となり優れた自然景観を形成する森林、保健文化機

能の評価区分が高い森林等。

(15)

森林施業の方法として、地形・地質の条件を考慮した上で伐採に伴って発生する裸地の縮小

及び回避を図るとともに天然力の活用した施業、風や騒音等の防備や大気の浄化のために有効

な森林の構成の維持を図るための施業、憩いと学びの場を提供する観点からの広葉樹の導入を

図る施業、美的景観の維持・形成に配慮した施業を推進する。

このため、上記A~Cの森林のうち、これらの公益的機能の維持増進を特に図るための森林

施業を推進すべき森林については、皆伐を行わない「択伐による複層林施業を推進すべき森林」

として伐採材積を30%以下にする。

択伐以外の方法による複層林施業を推進すべき森林については、大面積皆伐を行わず、伐採

材積率を70%以下とし、複層林の造成を図る。

なお、適切な区域の形状・配置等により、伐採後の林分においてこれらの機能の確保ができ

る森林は、長伐期施業を推進すべき森林として定めるものとし、主伐(皆伐)の時期を標準伐

期のおおむね2倍以上とするとともに、伐採に伴って発生する裸地の縮小及び分散を図る(表

3-17)。

以上の森林施業の場合の主伐については、標準伐期齢を下限に行う。

適切な伐区の形状・配置等により、伐採後の林分において公益的機能の確保ができる森林は、

長伐期施業を推進すべき森林として定める。

表3-17 長伐期施業を推進すべき森林の伐期齢の下限

区域

樹 種

カラマツ アカマツ ヒノキ スギ

その他針

葉樹

クヌギ ナラ類 ブナ

その他広

葉樹

② の A

か ら C

の森林

おおむね 80年

おおむね 80年

おおむね 90年

おおむね 80年

おおむね 120年

おおむね 30年

おおむね 40年

おおむね 140年

おおむね 40年

(2)木材生産機能維持増進森林の区域及び当該区域内における施業の方法

①木材生産機能維持増進森林の定義

林木の生育に適した森林、林道等の開設状況

等から効率的な施業が可能な森林、木材生産機

能の評価区分が高い森林で、自然条件から一体

として森林施業を行うことが適当と認められ

る森林について、木材生産機能の維持増進を図

るための森林施業を推進すべき森林。

②地形・地質を考慮した主伐の実施により、林齢

の平準化へ誘導

木材生産をめざす森林では、長伐期化を図る

一方で、木材生産性の向上、木材需要の拡大、

更新への支援などを行い主伐の取組を促進し、

林齢の平準化を図る。

③森林施業の方法

森林施業の方法として、木材等林産物を持続

的、安定的かつ効率的に供給するため、生産目

標に応じた主伐の時期及び方法を定め(図3-3)、

(16)

適切な造林、保育及び間伐等を推進する。

森林施業の集約化、路網整備や機械化を通じた効率的な森林整備を実施し、多様な木材需要

に応じた持続的・安定的な木材等の生産が可能となる資源構成となるように努める。受委託契

約等による森林の経営を進め、業(営み)としての林業振興を図る。

次の表3-18に即し、適切な造林、保育、間伐等を推進する。主伐においては、モザイク状

伐採、帯状伐採等も方法として検討し、森林の機能を十分理解して、皆伐による森林更新が可

能な場所(緩斜面、管理しやすい林地等)、皆伐を行わない森林管理が必要な場所を選定する。

さらに、皆伐の規模を小面積とするなどの検討を行い、これらの条件を満たした場合は、皆伐

による木材の収穫、更新による林業のサイクルづくりを行う。

なお、公益的機能別施業森林と重複する場合はその施業の方法によるものとする。また、環

境に配慮した施業方法に努め、土壌流失・流亡、水質環境の保全に努める。

表3-18 木材生産機能維持増進森林の施業方法

施業種 施 業 の 方 法

植 栽

主伐の実施後5 年経過しても更新が図られていない場合、期待成立本数に不足する

本数を植栽する。

間 伐

おおむね5年後に樹冠疎密度が10分の8以上に回復することが見込まれる森林にお

いて行う立木材積の35%以内の伐採とする。

林齢 標準伐期齢以上

伐採方法

皆伐を行う場合は、伐採跡地の面積が連続して20haを超えないこと。

伐採後の造林を天然更新(ぼう芽更新を除く。)による場合は、伐採率 70%以下の

伐採とする。

伐採立木 材積

伐採材積が年間成長量に100分の120を乗じて得た値(カメラルタキセ式補正)に

相当する材積に5を乗じて得た材積以下とする。

④植栽に関する技術の導入

近年、実用化が進む「コンテナ苗」の生産と研究及び導入に取り組む。「コンテナ苗」は、従来

の苗と違い細長いコンテナに大量に発根させることで、植穴が小さく済み、植栽費用の低減が図ら

れ、活着率と成長量が良く、さらに植栽時期を選ばないという利点がある。これにより、伐採作業

直後に植栽ということが可能になり、下刈り 1

回の省力が図られ、更新の実行性が高まるなどの

有効性が言われている。

さらに、木寄せ・集材として全木集材を取り入

れ、可能な限り林内に枝条を残さないようにする

ことで、地拵えの省力化など、新たな技術も積極

的に取り入れる。また、資源の平準化のために、

木材生産機能維持増進森林においては積極的な

伐採、次世代の植栽を「コンテナ苗」を導入する

など積極的に推進する。

写真3-1 佐久地域のカラマツコンテナ苗

(17)

.

林内路網その他森林の整備のために必要な施設

3-3-1

林内路網等の整備の方向

林内路網の整備は、生産性の向上による効率的な林業経営の改善を図る上で基盤となる産業施

設であるとともに、森林空間の総合的な利用の推進、山村地域における産業の振興や生活環境の

整備の上でも重要な役割を果たしている。-

また、路網の整備は、林業機械の導入による労働強度の軽減のためにも重要である。

さらに、きめ細やかな森林施業を実施するためにも作業路の整備は重要であり、既設の林道・作

業路との調整を図りながら、その効果が十分達せられるようその整備を図ることとする。

(1)効率的な森林施業を推進するため路網密度の水準及び作業システム等

林道等路網の開設については、傾斜等の自然条件、事業量等のまとまり等地域の特性に応じて、

環境負荷の低減に配慮し、搬出間伐の実施や多様な森林への誘導等に必要な森林施業を効果的か

つ効率的に実施するため、「林道」、「林業専用道」、「森林作業道」からなる路網と高性能林業機

械を組み合わせた低コストで効率的な作業システムに対応したものとする。

その際の目安として、表3-19に路網密度の水準を定める。

(用語の解説)

「林道」・・・・・一般車両の走行を想定する道

「林業専用道」・・・主として森林施業用の車両の走行を想定する道

「森林作業道」・・・集材や造材の作業を行う林業機械の走行を想定する道

表3-19 効率的な森林施業を推進するための路網密度の水準 (単位:m/ha) 区分

作業

システム

基幹路網密度 細部路網密度

路網密度 林道 林業専用道 小計 森林作業道

緩傾斜地 0~15°未満

車両系 15~20 20~30 35~50 65~200 100~250

中傾斜地 15~30°未満

車両系

15~20 10~20 25~40

50~160 75~200

架線系 0~35 25~75

急傾斜地 30~35°未満

車両系

15~20 0~5 15~25

45~125 60~150

架線系 0~25 15~50

急峻地35°~ 架線系 5~15 ― 5~15 ― 5~15

(2)作業路網の整備に関する事項

①基幹路網(林道)に関する留意点

基幹路網の作設は、林道規程に則り開設する。また、下の表3-20示す規程、指針等により、

適正な作設を行う。

表3-20 基幹路網(林道)の規程、指針等

規格・構造の根拠 備 考

林道規程 昭和48年4月1日48林野道第107号林野庁長官通知

林業専用道作設指針 平成22年9月24日22林整整第602号林野庁長官通知

長野県林業専用道作設指針 平成23年4月15日23信木第39号林務部長通知

(18)

② 細部路網(森林作業道)の整備に関する留意点

継続的な使用に供する森林作業道の開設については、長野県森林作業道作設指針に則り開設

する。また、下の表3-21示す規程、指針等により、適正な作設を行う。

表3-21 細部路網(森林作業道・作業路)の規程、指針等

規格・構造の根拠 備 考

森林作業道作設指針 平成22年11月17日林整第656号林野庁長官通知

長野県森林作業道作設指針 平成23年9月1日23森推325号林務部長通知

長野県林内路網整備指針 平成24年3月23日23信木第542号林務部長通知

長野県森林作業道作設マニュアル 平成23年1月長野県森林整備加速化・林業再生協議会

(3)路網の維持管理・計画に関する事項

基幹路網、細部路網とも、開設、拡張にあたっては、台帳を作成して適切に管理する。

下の表3-22示す図書等を参考として、毎年、全ての路線の点検を実施し、写真を撮影する

などして台帳に記録する。また、異常を発見した場合は、速やかに補修に努める。

表3-22 路網の維持管理に関する参考図書

維持管理の根拠 備 考

林業経営団地内の路網管理

~維持管理の指標(機能診断手法)案~

平成27年3月長野県森林整備加速化・林業再生協議会

林業経営団地内の路網配置の効果・検証 平成29年3月長野県森林整備加速化・林業再生協議会

3-3-2

路網整備等推進区域

木材生産機能維持増進森林は、路網整備等推進区域として低コスト林業を実現するために路

網整備の推進を図る。

さらに、木材やサービスの効率的な提供を確実にするために計画、整備及び維持に資するよ

う努める。

3-3-3

路網整備におけるその他必要な事項

上記の他、山土場(作業ポイント)等、木材の合理的な搬出を行うために必要とされている

施設を整備する。さらに、植生復元等を行う場合は、自然還元資材で、在来種を用いた工法を

用いる。

.

森林経営計画の樹立

FM森林における森林整備は、森林法第11条の定めにより、加盟者ごと森林経営計画を樹

立して施業を行う。

なお、会員の FM 森林と連単する他の森林所有者と効率的な森林施業及び保護の実施を実

現するため、森林施業の共同化を行う場合は、共同して森林経営計画を作成することを妨げな

い。また、森林経営計画の作成に当たっては、作業路網の整備、利用及び維持管理を共同して

実施することを妨げない。

ただし、共同化した森林から生産される木材、林産物等については、FM森林からの生産物

(19)

.

地域林業への支援

3-5-1

林業に従事する者の養成及び確保に関する事項

加盟者は、林業従事者の技能・技術の習得やキャリアアップのため、積極的にFM森林を研

修等のフィールドとして提供する。

また、林業後継者育成の視点から、森林の多面的機能を担う仕事であることを地域内外へ発

信し、協議会全体として、新規就業者の確保に資する活動を行う。

さらに、FM森林の整備には、作業の合理化、労働強度の低減及び効率化に資する高性能林

業機械の積極的な導入を図るような整備方法または委託方法を採用する。

3-5-2

林業労働者及び林業後継者の育成への寄与

若い林業後継者の育成を図るため、県で開催する林業講座をはじめとした各種研修会のフィ

ールド提供を推進するとともに、その支援を行う。

3-5-3

林業事業体の体質強化方策

地域の主要な林業の担い手である佐久地域4森林組合においては、各種補助事業や林業就労

改善促進事業等の指定を受け、高能率林業機械の導入による労働条件の改善、林業労働対策と

してU・J・I ターン者の雇用促進、若い林業後継者育成・確保等、地域林業の担い手として

の施策を積極的に進めている。

魅力ある就労の場を作ることを目標として、加盟者は、長野県等が実施する事業及び労働条

件の改善等を積極的に支援する。

3-5-4

森林施業の合理化を図るために必要な機械の導入の支援

FM森林は、今後主伐期を迎える人工林が増加する傾向にあるため、作業の合理化、労働強

度の低減及び効率化に資する高性能林業機械の積極的な導入の支援を行う。

高性能機械を主体とする林業機械の導入支援は、下の表3-23とする。

表3-23 施業種別の高性能機械の導入型

施 業 の 種 類 現状(参考) 将 来

伐採 チェーンソー

チェーンソー・プロセッサ

ハーベスタ

造材 チェーンソー

チェーンソー・プロセッサ

ハーベスタ

集材 林内作業車 小型集材機

林内作業車

小型集材機

タワーヤーダ・スイングヤーダ

フォワーダ

(20)

3-5-5

林産物のサプライチェーン構築のための

CoC

認証の推奨・支援

(1)木材の流通

現在、佐久地域における素材の生産流通については、小諸市の「東信木材センター協同組合

連合会」への出荷を主体としている。

本協議会の設立を契機として、表3-24に示す事業者がSGEC_CoC認証を取得している。ま

た、佐久地域4森林組合の統合CoC「JForest信州佐久CoC協議会」が設立された。これにより、

佐久地域の森林管理・素材生産から林産事業体、加工施設等との連結構造が構築できる状況と

なった(図3-5)。

表3-24 事業導入波及効果(準備会参加団体のCoC認証取得状況)

取得区分 CoC認証取得者 CoC認証効力発行

単 独 長野県森林組合連合会 平成28年9月1日

東信木材センター協同組合連合会 平成28年9月1日

双葉林業合資会社 平成28年9月1日

統 合 信州木材認証製品センターCoC部会 参加17者

平成29年4月1日

佐久地域

株式会社 青木屋

有限会社 カネホ木材

有限会社 須江林産

有限会社 中島林業

株式会社 吉本

田村木材 株式会社

統 合

JForest 信州佐久CoC協議会

本協議会と

同日効力発行(予定)

4森林組合

グループ

南佐久北部森林組合

南佐久中部森林組合

南佐久南部森林組合

佐久森林組合

※信州木材認証製品センターCoC部会(長野県木材協同組合連合会内)グループ17者、平成29年4月1日効力発行

これらの地域内事業者及び千曲川上流森林計画区(上小地域)と積極的な連携を図るととも

に、千曲川上流森林計画区の木材業界のCoC認証取得へむけての認証推奨と支援を行い、FM

認証材の流通サプライチェーン構築を目指す(図3-4)。

図3-4 認証材の流れ

認 証 森林

FM認 証 )

流 通 ・加工業者

CoC認 証 )

(21)

図3-5 佐久地域のFM認証申請森林とCoC事業者の拠点

(2)林産物の流通

佐久地域のマツタケやしいたけ等の特用林産物の積極的なPR活動を展開するとともに、マ

ツタケの発生を促すための発生環境整備を実施し、特用林産物の生産振興と山村地域の活性化

等を図る。

FM森林から生産されるマツタケ等の特用林産物についても、地域ブランド化のためマツタ

ケ流通体制を構築するためCoC認証取得へむけての認証推奨と支援を行い、FM認証林産物の

流通サプライチェーン構築を目指す。

SGEC-JForestCoC

SGEC-統合CoC

SGEC-CoC(その他)

SGEC-単独CoC

(22)

.

森林病害虫駆除又は予防その他の森林の保護に関する事項

3-6-1

森林病害虫の駆除又は予防の方法等

(1)松くい虫

松くい虫については、前述「3-1-3 FM 森林のアカマツ林に関する基本方針」の対策によ

る(図3-6)。

図3-6 松くい虫被害総合対策イメージ

標高区分は目安。地域、地形、方位等で松くい虫被害侵入は異なる。対策における空中散布は地域住民とのコンセ

ンサスを要するため特に注意する。

それぞれの対策には費用、森林所有者や地域住民等のコンセンサス等の多くの課題があり、市村行政単位や小流域 単位または地区単位での検討が不可欠。未被害地における森林整備が間接的効果として重要。

標高800m未満や標高800m以上に位置する「守るべき松林」は積極的な対策が必要。「守るべき松林」をコア(核)

として周囲のマツ林の樹種転換の検討も必要。

(2)カラマツヤツバキクイムシの被害防止

被害防止対策は、カラマツ林において間伐を行う場合、伐採木を極力搬出することが被害防

止につながるため、林地残材を減らすものとする。

(3)カラマツ先枯病の被害防止

罹病木を発見した場合は、速やかに伐倒し、枝条を焼却処分する。

また、カラマツ先枯病は風衝地に多発することから、植栽する場合は、風当たりの強いとこ

ろでは、カラマツ以外の樹種を選定する。

(4)その他の病害虫等の被害防止

その他の病害虫が発生した場合、適正な防除、駆除に努める。また、早期発見、早期防除が

最善の方法であるので、広報等の活用により普及啓発に努める。

守るべき松林(松)

(23)

3-6-2

鳥獣による森林被害対策の方法

特定鳥獣保護管理計画に基づく、各種対策を総合的に実施する。

近年、イノシシやニホンジカによる農林産物への被害が著しく増加し、農家・林家にとって

深刻な状況である。地域内の有害鳥獣駆除対策協議会等を通じて、迅速な捕獲体制を強化し個

体数の調整を図るとともに、里山に位置する FM 森林では、バッファーゾーンとなる緩衝林

対策を積極的に実施する。

また、県、地域と連携し、広域的な捕獲体制を確立することによる効果的な対策の実施に努

める。

さらに、人為的被害の発生防止に資するよう、住民の森林への入林に対し、野生動植物被害

注意の呼びかけを積極的に行う。

.

林野火災の予防の方法

山火事予防対策として、FM森林に山火事防止の標柱等を設置するとともに、初期消火用機

器等の配備を行うほか、一般住民に対しては関連イベント等により山火事予防の普及啓発を行

う。

また、森林レクリエーションのための利用者が多く、山火事等の被害が多発する恐れのある

FM森林では、森林被害の未然防止を図ることを目的として、森林整備を担う森林組合等林業

事業体や地域住民による巡視の体制も検討する。

さらに、会員は森林火災消防緊急連絡網、消防組織体制等(行政管理に準じる)を明確にし

ておく。

詳細はp63「林野火災予防マニュアル」による。

.

地域社会の慣習的な利用権の尊重と法的遵守

3-8-1

地域社会の慣習的森林利用の尊重

(1)地域社会の伝統文化

地域社会にあっては、森林を伝統文化の源とする祭事等が行われている。

協議会は、公平・公正の立場として、地域の伝統文化である場合

は、文化継承のため、積

極的にフィールドとして提供する。

____________

※協議会は、ある種の特定の宗教神事等、地域伝承文化として認められないものは、その利用を認めない。

(2)地域社会の慣習的森林利用

①特用林産物に係わる権利設定

FM森林のうち、野生キノコや山菜の採取規制を行っている森林がある。協議会は、会員が

実施するこれらの慣習的利用は妨げない。

②学校林、環境学習林、地域の里山利用

FM森林のうち、学校林、環境学習林、地域住民の里山利用等、慣習的に行われてきた行為

(24)

3-8-2

無許可林地開発、不法投棄等に対する処置

(1)林地開発等への処置

地域の生活環境を保全するため、FM森林及び地域の森林において、無許可の樹木伐採、土

壌の攪乱、土地・渓流等の土地の改変、林地開発は禁止する。また、発見した場合は、森林法、

関連法令等に準拠して適切な法的処置を行う。

なお、無許可林地開発を未然に防止する、軽微な状態で防ぐため、加盟者の巡視(参照:

p51~59「森林管理モニタリング基準」)、森林整備を担う森林組合等林業事業体や地域住民に

よる巡視を行う。

(2)不法投棄への処置

FM森林は、開かれた森林を原則とするが、不法投棄の温床とならないよう、FM森林への

アクセス道(公道、林道等)に、不法放棄防止の標識等を設置する。さらに、不法投棄の未然

防止を図ることを目的として、加盟者の巡視(参照:p51~59「森林管理モニタリング基準」)、

森林整備を担う森林組合等林業事業体や地域住民による巡視を行う。

また、不法投棄予防対策として、一般住民に対しては関連イベント等により不法投棄予防、

森林利用に際してのゴミ持ち帰り運動等の普及啓発を行う。

なお、FM森林及び地域の森林において不法投棄を発見した場合は、法令に準拠して適切な

法的処置を行う。

.

地域振興に寄与する活動に関する事項

本書p50「開かれたFM森林マニュアル」を参照。

3-9-1

森林の総合利用施設の整備計画

地域の FM 森林内にある森林総合利用施設は、自然景観に優れた環境を有しているととも

に、森林とのふれあいの場として整備が期待されていることから、自然環境や景観を向上する

ため、特定広葉樹の植栽、下草刈り、不良木の除去等維持管理を十分に行い、森林の特徴を損

なわないようにするとともに、施設のPRに努め、自然散策等の拠点となるよう努める。

また、これらの森林には、年間を通じて地域や都市部の子どもたちが多く訪れており、普段

の生活では体験できない自然に親しむ場を提供するとともに、都市と地域住民との交流の場と

しても有効的な活用が期待されることから、このような面にも配慮した適切な森林整備を行う

とともに、遊歩道等の施設整備を行う。

3-9-2 住民参加による森林の整備に関する事項

(1)地域住民参加による取り組みに関する事項

里山に隣接する FM 森林では、里山整備の一環として地域住民による森づくりや、地域の

小・中学生をはじめとした青少年に対して、関係団体や地域住民の協力を得ながら、森林・林

業体験教室を開催するなど森林づくりへの直接参加を推進する。

(2)上下流連携による取り組みに関する事項

佐久地域は、千曲川の源流域でもあり、下流の市町村の水源として重要な役割を果たしてい

るが、上下流の市町村ともそのような意識は低いと思われるため、広報等を通じて、上流の森

(25)

(3)その他

近年、県外の住民や企業を中心に、森林づくりへの直接参加しようとする活動が行われてい

る。FM森林において、団体、企業からCSR活動などの要請があった場合は、協議会として

場所の選定等に積極的に取り組む(森林の里親促進事業等)。

3-9-3

森林施業の技術及び知識の普及・指導に関する事項

森林施業の円滑な実行確保を図るため、国県等の指導機関、森林組合や林業事業体との連携

をより密にし、地域民有林の模範となるように努めるとともに、地域森林所有者の普及啓発、

経営意欲の向上に努める。

3-9-4

SGEC

認証材利活用の推進に関する事項

森林から生産される木材は、二酸化炭素を吸収し固定するエネルギー消費の少ない脱石油循

環型資源として広く理解されるとともに、輸入材に頼ることなく信頼性の高いSGEC認証材

が安定的かつ着実に地域に供給され、利活用される環境を整備する必要がある。

また、SGEC 認証材の利用促進は、林業生産活動の活性化に寄与することから、地域の公

共建築物、特に保育園、小中学校の木造化または木質化の資源として、さらに使用する机・椅

子等にSGEC認証材を活用して、木が持つ温もりと安らぎを活かした空間づくりの推進を図

る。

また、現在まで搬出されない未利用材や、製材の過程で使えない部分の木材などを活用し、

地球温暖化防止に有効な地域エネルギーとしての「安全な木材」として木質バイオマスエネル

ギー利用にも対応するよう、研究と積極的な促進を図る。

.

10

環境保全への貢献

3-10-1

FM

森林の

CO

2

吸収量

(1)現行森林のCO2吸収量

FM森林のうち、最も多く成立するカラマツ林は14,670.73 haで、11~12齢級となってい

る。

この人工カラマツ林分のCO2吸収量を長野県森林CO2吸収量評価認証制度によるCO2算定

基準(長野県「森林の里親促進事業」CO₂吸収量等算定基準 平成28年1月1日改正)の地

位Ⅲ1.9t-CO2/年(表3-25)として試算すると、年間吸収量は27,874t-CO2/年となる。

標準的な自家用車1台の年間CO2排出量は約2,300 kg、1世帯当たりの年間CO2排出量は

約6,500 kg、人間1人当たりの呼吸による年間CO2排出量は約320 kgから(林野庁)、この

吸収量を身近な二酸化炭素排出量と比較すると、自家用車台数12,119台、世帯数4,288世帯、

人間人87,107分となる(図3-7)。

(26)

FM 森林の人工林カラマツ林のみで、CO2年間吸収量は 27,874t-CO2/年と試算されること

から、FM 森林は佐久地域の森林面積の 23.0%(佐久森林総面積 109,690.49ha、FM 森林

25,234.17ha)を占めることから、CO2吸収に貢献している。

現在よりもその貢献度を高めるためには、表3-25に示す幼齢から若齢林分のCO2吸収量が

高いため、適期に達した森林の更新を図り、資源(林齢)の平準化とともにその貢献度を高め

るように努める。

さらに、伐採木にあっては、積極的な搬出・利用を図ることで、木材による CO2固定(炭

素量は木材重量の0.5倍)を積極的に図る。

自家用車1台当たりの年間CO2排出量は約2,300kg

対象森林 =自家用車台12,119分

1世帯当たりの年間 CO2排出量は約6,500kg

対象森林= 世帯4,288世帯分

人間1人当たりの呼吸による年間 CO2排出量は約320kg

対 象 森 林 = 人間87,107人分

図3-7 身近な二酸化炭素排出量との比較(標準的な吸収量:林野庁公式ホームページより引用)

表3-25 長野県内カラマツ林の二酸化炭素吸収量(t-CO2/年)

長野県「森林の里親促進事業」CO₂吸収量等算定基準 第6条 計算に用いるデータ

CO₂吸収量=森林面積×蓄積増分×拡大係数×容積密度×炭素含有率×二酸化炭素換算係数(44/12)

地域Ⅲとして試算。

3-10-2

生物多様性への貢献

FM森林は全て公有林であるため、地域社会における生物多様性推進の模範となるべき対策

を講じる。

(1)自然植生・天然林の保全

佐久広域地方での環境省、長野県のレッドデータ該当種は313種1が確認された。これは長野

県全域でみられる約870種(この数値は種の扱い方により変わる)のうち、4割弱となる。

これらの希少植生、自然植生は、森林域を生育地とする場合が多く、森林施業、森林利用等

にあっては、保全することを第一条件とする。また、これらの保護にあたっては、別冊として

作成した「佐久地域の希少植物Book」を参考とするとともに、モニタリング等に携帯し、希

林 齢 地 位 級 Ⅰ 地 位 級 Ⅱ 地 位 級 Ⅲ 地 位 級 Ⅳ 地 位 級 Ⅴ

5 0.9 0.8 0.7 0.5 0.5

10 13.6 11.1 9.0 6.1 4.4

15 24.9 20.6 16.3 12.6 8.8

20 22.3 18.6 14.9 11.7 8.3

25 14.5 12.1 9.6 7.7 5.5

30 12.1 9.9 8.1 6.3 4.6

35 9.6 7.9 6.3 5.2 3.7

40 7.7 6.3 5.2 4.1 3.0

45 5.9 5.2 3.9 3.3 2.4

50 4.8 3.9 3.3 2.6 1.9

55 3.9 3.0 2.6 1.9 1.3

60 2.8 2.6 1.9 1.7 1.3

65 2.4 1.7 1.5 1.3 0.8

70 1.7 1.5 1.1 0.8 0.6

75 1.5 1.3 1.1 0.8 0.6

80 1.1 0.8 0.6 0.6 0.4

表 3-6  人工造林対象樹種 区    分 樹  種  名 備    考 人工造林の対象樹種 ス  ギヒノキ アカマツ カラマツ その他針葉樹 広葉樹 ②方法   ア)人工造林の樹種別及び仕立ての方法別の植栽本数 主要樹種の植栽本数は、下表(表 3-7 )を標準とする。 なお、立地条件、既往の造林方法等を勘案し、将来的な施業の方針を明確にすることで、 植栽本数を決定することができるものとする。 表 3-7  人工造林の樹種別及び仕立ての方法別の植栽本数 樹  種 仕立ての方法 標準的な植栽本数(本 /ha
表 3-15  保育の種類別の標準的な方法 保育の種類 樹  種 実施すべき標準的な林齢及び回数 標準的な方法 実施時期 実施林齢 回数 下刈り 全樹種 ( 1 回目)6月上旬~7月上旬 ( 2 回目) 7 月下旬~ 8 月下旬 2 年生~10年生 年 1 ~2回 ① 目的樹種の樹高が、草本植物等の高さの1.5倍になるまで実施する。必要に応じて、年2回実施する。②つる植物の旺盛な箇所は、①の高さ を超えても継続して実施すること。③ニホンジカ 等の食害が懸念され る箇所は、全刈りとせず坪刈り・筋刈りとすること
図 3-5  佐久地域の FM 認証申請森林と CoC 事業者の拠点 ( 2 )林産物の流通 佐久地域のマツタケやしいたけ等の特用林産物の積極的な PR 活動を展開するとともに、マ ツタケの発生を促すための発生環境整備を実施し、 特用林産物の生産振興と山村地域の活性化 等を図る。 FM 森林から生産されるマツタケ等の特用林産物についても、 地域ブランド化のためマツタ ケ流通体制を構築するため CoC 認証取得へむけての認証推奨と支援を行い、 FM 認証林産物の 流通サプライチェーン構築を目指す。 SGEC-

参照

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